Hey girls!調子はいかが?
医局に戻り、机に突っ伏す。今の所、ナースコールは無い。
夜勤が開けて、朝の回診をしたら私は勤務を終えて、家に帰る。次病院に来るのは明日の朝。瞳ちゃん、ほかの先生でも診察受けられるだろうか…。さて、どうしようか…。
ごちゃごちゃと考えている間に声をかけられた。
「こと先輩、そんな風に寝てたら風邪引きますよー。」
「寝てないもん!I'm just thinking!」
そう言って私は頭を起こした。今私に話しかけてきたのは北村 楓(キタムラカエデ)。大学時代の5つ下の後輩。研修医上がりだけど、とてもいい子で患者さんからの受けはとてもいい。今特定の患者さんも楓にはいないからちょうどいいかもしれない。
「楓か…。ありかも。ていうか、むしろ適任だな。」
「なにがですか?」
「楓、今日の勤務はどんな感じ?」
「今日ですか?今日は夜勤してそのまま日勤してから上がりですけど。」
タイミングが良すぎる。
「さすが楓!タイミング良すぎだよ〜!」
「一体どうしたんですか?」
「私の患者さんを、私が勤務なくていない間、診てあげてほしいの。ちょっと訳ありでね、病院や医療行為に対してとても怖がるんだよね。もちろん医師に対しても。だからあんまり他の人には任せたくないんだけど、楓なら頼めるって思って。任せてもいい?」
「もちろんですよ。でも私でいいんですか?」
「楓だから頼んだんだけど…。」
この子も大概自信が無い。もっと胸張ってもいいのに。
「ありがとうございます?」
「それじゃあ、朝の回診、一緒に来てくれる?」
「わかりましたー!」
「今から時間あったらその子のカルテを見ておいてくれる?名前は倉内瞳ちゃん。経歴は本人には極秘で。そうだ、晴ちゃんのことも一緒にお願いしようかな?出来たら水谷晴ちゃんのカルテも一緒に見ておいて。」
「了解です。」
「私はもう1回瞳ちゃんたちの様子見てくるわ〜。」
「いってらっしゃーい。」
「はーい。楓も適当なところで仮眠挟みなよ〜。」
「ありがとうございます。」
楓というちょうど良い人材を見つけた所で、もう一度瞳ちゃんの様子を見に行った。考え事をしていたら結構時間が経っていたみたい。