Hey girls!調子はいかが?
「おはよう、girls!調子はどう?」
琴美先生が元気よく入ってきた。その声でなんとか目を開ける。
「おはようございます…。って、え?!」
ご飯届けてくれたのに気づかなかった。手付かずのお盆が目の前にある。まずい…。
「あれ、2人ともまだ寝てた?」
「うん。私も瞳も1回起きたけど二度寝した。」
「本当に二度寝かなー?」
「本当ですよー。」
そういう所が鋭いんだもん、琴美先生。
「瞳はまだ寝てますか?」
「うん、そろそろ起こさなきゃね〜。」
「先生?さっき瞳ね、過呼吸起こしかけてた。」
「何があった?呼んでくれたら良かったのに。」
「ごめんなさい、落ち着いたらすぐ寝ちゃって。」
「そっか。そんでどうしたの?」
「夜中に点滴したの?」
「ああ、そういう事か…。だから留置針にしたんだけど…。」
「そういうことだと思って何回も刺さなくていいって説明しておきました。琴美先生がしてくれたんだと思うって言ったらすっと落ち着いてまた寝ちゃったんだけど。」
「晴ちゃん、大正解!また瞳ちゃん起こした時にもう1回私から説明するね。」
「それがいいと思います。」
「ところで回診の時間なんだけど、いい?」
げ…。いや、そりゃそうだよな。先生が何もしないのに病室に来るわけないよね…。はあ。
「心の声がもれてるんだけど。」
「あ、すいません、忘れてください。」
「忘れませーん。そういうわけだからやるよー。その前に。」
そう言って琴美先生がずっと黙っていたもう1人の先生に話をふった。
「北村楓です。琴美先生がお休みの日に晴ちゃんと瞳ちゃんを担当させてもらうことになりました。よろしくね!」
「よろしくお願いします。」
「そういうわけだから、私が今日帰ったあと以降、夜の回診とかは楓先生が来てくれるよ。」
「うん?」
「私が休みの日に、診察変わってしてくれるってことー。そんなに深く考えないで。」
「わかりましたー。」
「とりあえず今は私と楓先生でするよ。悪いけど聴診は2回させて欲しい。いい?」
「うん、頑張る…。」
仕方ない、ここまで来たらバレるのも時間の問題だよね…。楽にはなりたいけどバレたくもない…。
だけど頑張るって言っちゃった手前、初めましての楓先生もいるから大人しくしてるしかないね。