Hey girls!調子はいかが?
「じゃあちょっと胸の音聞かせてね。今朝は悪いんだけど、私とこっちの楓先生とで2回聞かせてほしいな。」
「えっ…。」
「私が今日はこの後帰るから、私がいない間楓に君たち2人のこと頼んだの。」
「先生帰っちゃうんですか?」
「大丈夫、明日の朝にはまた来るから!それに楓は私の後輩で仕事もできるしいい子だから安心して。」
「はい…。」
「そういう訳で瞳ちゃん、よろしくね。ごめんねーこと先輩じゃないけど私も頑張るから安心して貰えると嬉しいな。」
「いえ、こちらこそよろしくお願いします、北村先生。」
「よし、じゃあ前置きがかなり長かったけどちゃっちゃと聴いちゃうよー。」
遠藤先生のこの一言の後すぐに聴診器が当てられた。
「落ち着いて、ゆーっくり深呼吸。大丈夫、できてるよー。」
遠藤先生が声をかけてくれる。隣で北村先生が手を握ってくれた。
なるべく考えないようにしながら握られた手を握り返すと少しほっこりした気持ちになった。
「はい、終わりー!よく頑張りました。2回も悪いけど楓にも聴診してもらってね。」
ほっこりしてる間に遠藤先生のターンは終わっていた。いつの間に…。
白井さんといい、北村先生といい、なにか催眠術的な波動でも出してるんじゃないだろうか…。いや、むしろ遠藤先生?
「瞳ちゃーん、百面相してる所悪いけど私にも聴かせてね。」
北村先生の声で我に返った。
「じゃあいくよ、ちょっと冷たいよーごめんね。」
相変わらずちょっとゾクッとして好きになれないけど、何とか大丈夫みたい。
遠藤先生に励まされながら北村先生のターンも終了。
「楓、どう思う?」
「ちょっとまだ喘鳴が聴こえますね。」
「そうだねえ、夜中に薬を入れたからまだマシだとは思うけど…。」
「瞳ちゃんも晴ちゃんと一緒に朝吸入しときますか?」
「それが妥当かな。そういうことだから瞳ちゃん。この後晴ちゃんと一緒に朝吸入してね。10時に楓先生が迎えに来てくれるから。」
「はい、わかりました。」
「あと何か気になることとかはある?なんでもいいよ。」
「いえ、特には…。」
「ならオッケー。何かあったら遠慮せずにいつでも楓先生の事呼んでね。しっかりナースコールすること。いい?」
「あ、はい。」
「Good girl.」
遠藤先生は満足そうに笑った。
しっかり体も覚醒したし、回診も終わったからベッド周りのカーテンを開けると晴と対面。
「それじゃあ私たちは1回行くね。晴ちゃん、瞳ちゃん、何かあれば遠慮なく私の事呼んでくれて大丈夫だから!無理だけはぜったいしないことー。」
「はーい。」
「はい。」
「安静にしてるんだよー。それじゃあ私はまた明日!」
「ありがとうございました。」
「さようならー。」
晴とまちまちな返事を返して何とか朝は乗り切った。