Hey girls!調子はいかが?
楓side
「お疲れ様、疲れたでしょ?ゆっくり休んでね。
瞳ちゃん、晴ちゃん、頭痛いとか調子悪いところある?」
「私は大丈夫ですけど、晴は寝ちゃったみたいですよ。」
「ええっ?!本当だ!なんでわかったの?というか寝るの早い…。」
「幼なじみなので。ベッドに入って速攻寝ましたよ。私は大丈夫ですけど、晴は本当はかなり調子悪いと思いますよ。さっきの晴はとても強がってた…。」
瞳ちゃんの表情が曇る。それに、晴ちゃんが我慢してるなら状態をしっかり把握しておかないといけない。
「瞳ちゃん、ちょっと晴ちゃんの様子見てくる。また来るからその時少しお話しようか。」
「はい、晴のことよろしくお願いします。」
泣きそうな顔の瞳ちゃんの頭を撫で、晴ちゃんの元へと足を向けた。
とは言っても同じ部屋だし、すぐそこだけど…。
「晴ちゃん、ちょっとごめんねえ。」
いくら寝ていても声掛けはする。それが私のモットーだ。なんとなく聞こえてることもあるし、実際そういうの体験したことあるし。
晴ちゃんは真っ赤な顔をして苦しそうな呼吸を繰り返している。
とりあえず急いで熱をはかると39.7でかなり高い。呼吸の音はさっき吸入したからか、朝より悪くはないけど、けして良い訳でもない。
熱で結構汗をかいている。唇もかわいていて少なからず脱水しているようだ。
ナースコールで氷枕と脱水症状のための点滴をお願いすると直ぐに看護師が持ってきてくれた。
「持ってきました。」
「ありがとうございます、あとは私がやりますね。」
「わかりました。」
短く会話をして晴ちゃんの処置をした。
水分が飛んでるからか、血管が見つかりにくくてちょっと手こずったけど、点滴はまあ失敗することなく1回で入れられた。
氷枕を頭の下にそっと敷く。
我慢しなくていいのに…。我慢してしまう気持ちもよくわかる。私も経験してきた道だし。でも医学を学んでから分かったことは、我慢してもそのツケは結局後から回ってきてしまう。しなくても良かった注射や点滴なんかをしなくちゃいけなくなったりするんだ。
それは避けてあげたいって、誰でも思うものでしょ?
それにきっとこれは瞳ちゃんにも言えること。
こと先輩には体調が悪いことをきちんと言えるのかもしれないけど、誰にでもきちんと言えるような心構えをさせたほうがいいのだろう。
そう思いながら瞳ちゃんの所へ戻る。