Hey girls!調子はいかが?

とりあえずは視力検査だから、と自分を勇気づける。

だけど歩き回ったせいか、朝から感じていた怠さが増してきた。


出席番号順で視力検査を行う。私も晴も、授業中はメガネがないと見えないけど常用ではない。
要はけしてよくはないけどめちゃめちゃ悪いというわけでもない感じかな。
自分としてはかなり見にくいけど。

でも矯正視力でAだったからとりあえずはよしとしよう。

それにしても今メガネをかけたからかな、頭の奥で鈍く頭痛がしてきた。

そういうことにしておきたいのかもしれない。それか、これからのことを考えて、精神的に疲れてきたのか…。


そんな中、クラス全員の視力検査を終えた担任の田川先生に晴と二人で呼ばれた。
 

「倉内さん、水谷さん、ちょっと。」


ん?先生、手招きしてる。晴と顔を見合わせてから先生のところへ向かった。



「あなた達、大丈夫?二人揃って酷い顔色してるし、体調悪そうなんだけど…。」


うわぁ、こんなところでバレるとは思ってなかった…。
これ嘘ついていいの?


「大丈夫です。私達、ちょっと身体弱くて昨日の疲れが取れてないだけなので…。」


晴ナイス!だって嘘はついてないよね。これが全てではないけど…。


先生は、なにか腑に落ちない顔をしていたけど、


「そう、じゃあもし何かあったら遠慮なく言いなさいね。」


と言ってあまり詮索しないでくれた。  
よかった…のかな?
とりあえず晴のおかげでこの場は切り抜けることができた。


「ありがとう。」

「ううん。瞳は大丈夫?」

「…。」


ノーコメント。もう私、半泣き。正直、今すぐ帰って寝たい。
朝からだるかったけど、今は更にだるいし、熱も出てきてるみたい。視界がクラクラする。


「…晴は?」

「…。」


結論だけ言うと2人とも終了って感じ?
晴も恐らく熱はあるんだろうな、呼吸もちょっと荒いし。必死でなんともないような顔を作ってるけど幼なじみの私にはバレバレ。

私も人のことは言えないけれど…。
言いようのないこの息苦しさ、一体なんなんだろう…。朝から無くならないのも気になる。
本当に何も無いことを祈る。


「健闘を祈る。」

「もう無理だよー。」


「はーい、みんな戻ってきてるね。席についてー。」


しばらくして田川先生が声をかけた。


「後でね。」

「うん。」


「はい、とりあえずお疲れ様です。
このクラスはあと2つ健診が残っています。先に内科検診からです。1組なので、保健室の先生が呼びに来るまでこのまま教室で待機です。
詳しい説明はあとであるけれど、内科検診が終わったらそのまま心電図検診に向かってください。」


…とうとう来てしまった。心臓がバクバクしている。
挙句、田川先生の視線が痛い。言い終わってからも心配してるような眼差しで時折私や晴のことを見ている。


見つめるだけで何も言ってこないのは今から内科検診だからなのか、はたまた晴がさっき言った、大丈夫の一言からなのか…。


晴も気づかないフリをしている。
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