Hey girls!調子はいかが?
「ところで瞳ちゃん。」
「うん?」
「さっき大泣きして、体調悪くなってきたんじゃない?」
「え、そんなことない…。」
「上手く隠せてないよー。今、ばれたっ!って顔してるもん。」
「ええ!私いつからこんなにわかりやすくなっちゃったんだろう…。」
「それ、肯定してるようなもんだからね、わかってる?」
「ああ!肯定してない!何も言ってない!」
なかなか笑える。笑えるけどほっといちゃいけないね。
「まあそれはいいとして。
瞳ちゃん、顔真っ赤だし目はトロンってしてるよ?熱上がってきたんじゃない?」
そう言ってスっと手を額に持っていった。
思わず顔を顰めてしまった。これは確実に上がっているな。
「瞳ちゃん、熱はかろっか。」
「…。」
うつむいちゃった。とりあえずポケットに入っていた体温計を渡すと受け取ってくれた。
が、脇には挟んでくれない。
「よし、じゃあ医学部を目指す君に一つアドバイスをしよう!」
ん?って顔して私の方を見た。
「自分がどんな症状のときにどんな処置をされたか、覚えておくと医学部で知識として覚えなくちゃいけないことを実体験として覚えられるよ?」
「あ、確かに。でも…。」
「うん。嫌なことは嫌だよね。でもね、医者になるってことは患者が嫌がることでもしなくちゃいけない事がたくさんある。それに、瞳ちゃん隠したがるでしょ?」
「えっ。」
「あはは、わかりやすくていいね!体調不良、隠したいかもしれない。気持ちはよく分かる。それに自分の症状を言いたくても言えないこともきっとたくさんあったんでしょ?」
「うん。でもなんでわかるの?」
「私も同じだから。喘息で今でも苦しんでるし、私だって隠したいから。それに昔は隠してたし。今も隠すし?これは内緒、こと先輩に怒られるから。」
「ふふっ。」
「苦手なことは苦手でいいんだよ。だけど、苦手なことを克服していく努力もしなくちゃいけない。これはわかる?」
「わかる。」
「よし、いい子。じゃあ努力の第1歩として今の症状、自分の口から言える?」
「ええー!えー言うの?」
「うん。」
ニコニコしながら答えた。
「あのね、ちょっとしんどい、かな…?」
「なんで疑問形?でもよく言えました!じゃあ熱はかろっか。」
「うん…。」
自分から体温計を挟んでくれた。