Hey girls!調子はいかが?
ちょっとあの話は瞳ちゃんにはまだ早かったかもしれない。
中途半端に思い出して余計にトラウマになったら可哀想だ。
それに私だってまだ完全に心の傷が癒えた訳では無い。瞳ちゃんには言わなかったけど、頭でわかっていても無理なものは無理。
いくら医学を学んだからといって、それに心が着いてくるわけじゃないことを身をもって知っているから、聴診器ひとつ当てるのでも相当な精神的苦痛を伴うのもよくわかる。
私だってこと先輩を筆頭に本当に気の置けない医者じゃないとまだ無理だ。
あれは私が小さい頃のこと。
私は小児喘息を持っていた。
初めの方から診察拒否をするような子供だったらしい。基本的に私は強がりな性格だから、相手に弱みを見せたくないから、体調が悪くても隠しているような子供だった。
だからこそなのか、体調が悪いのが直ぐにバレてしまう医者に診せるのがとてもとても嫌だった。
小学校3年生の時、とうとう事件は起こってしまった。
その時、喘息の数値がよくなくて入院していた。
ちょうどその頃新しく変わった当時の私の主治医は人のことを考えるのが苦手な先生だったのだろう。全てを自分のペースで進めていくような先生だった。
そしてあの日、私は熱があった。
体調が悪かったせいか、あの日は早く起きられなかった。
体温計がなった音で目が覚めると、
「熱が高いから先生が来るまで大人しく寝ていてね。」
私の体温をはかっていたらしい看護師さんからそうやって言われた。
そんなのバレたら大変だ。どうやって乗り切ろうか考えている時にタイミング悪く先生が入ってきた。
「回診の時間です。」
うわ、最悪だ。
間違いなくこの思いは顔に出ていただろう。
「聴診します、服をあげてください。」
この言葉が1番嫌い。私は聴診されたら体調不良がばれると思っていた。
まあ私の場合は喘息だから音を聞かれたら1発でバレちゃうからあながち間違いではなかったのだけど。
「いや。」
拒否の言葉を口にした。
「嫌じゃない。やります。」
「絶対やだ!」
「はあ…。お願いします。」
そう言ってあの医者は隣にいた看護師に私の服を無理やりあげるように指示した。
「いやなの!」
それでも私は頑固に突き飛ばした。
「いい加減にしなさい!さっさとしなさい!」
すごい剣幕で怒鳴られた。
この時点で泣き出してしまったががんとして私はゆずらなかった。