Hey girls!調子はいかが?
「えっ、ごめん!、なんか無神経なこと聞いちゃったかな…?」
ううん、と首を振る。
「ごめんなさい…。」
なんとか言葉を発する。
「そっか。」
そう言って琴美さんはしばらく何も言わずに背中をさすってくれた。
「ゲホッゴホッ、ヒュー。」
「あれれ、泣いたからかな?発作出てきちゃったね。さっきみたいにゆっくり呼吸してごらん?ほらっ、スー、ハー、スー、ハー。そうそう、上手。」
また発作が出てきてしまった。なんとなく自分ではわかってる。そろそろ限界なのが。そして病院に行かなければまずいことも。下手したら入院かもしれないことも…。
今回も琴美さんのおかげでなんとか治まったけど、次が来るのも時間の問題だろう。
「なんとか治まったね。」
「はい、2度もありがとうございます…。」
「ううん、それはいいんだけど。あのさ、よかったら聴診させてくれない?」
俯いてしまった。この人は医者の卵だし、2回も発作起こしてるし、なんとなくそうなるような気がしてた。
この人はあの先生とはちがう。それはわかってるけど素直に頷けない。やっぱり怖い。
「そりゃいやだよね、見ず知らずの人に…。ごめん、変なこと言って…。」
琴美さんの悲しそうな声が響いた。
「いやっ、そういう訳じゃないんです…。あの、ちょっと昔嫌なことがあって。」
「…それ、私が聞いてもいい話?」
「むしろ迷惑かけちゃってるので、迷惑ついでに聞いて貰えたらちょっと嬉しいかもしれません…。」
「そっか、わかった。それならゆっくりでいいから話して欲しいな。」
「はい。」
「その前に時間は大丈夫?」
「あっ、連絡してもいいですか?」
「うん、早くしちゃいな。」
そんな所まで気が回っていなかった、ありがたい。
「すいません。」
「いや、大丈夫。それじゃあ聞かせてくれる?」
「はい。」
それから私は過去にあったこと、そのせいで病院はもちろんのこと聴診がとにかく苦手になってしまったこと、小児科を卒業してからこの1年半、病院に行けていないことを全て話した。
「それは大変だったね…。ある意味仕方ないのかもしれない。だけどそんな医者ばかりじゃないんだよ。っていっても頭ではわかってるか…。」
「あはは…。」
何となく笑ってみる。
「うーん、笑い事では無いんだけどね?」
そう言いながら琴美さんも苦笑いしている。