Hey girls!調子はいかが?
「はい、お疲れ様ー!」
「ありがとう、ごさいました。」
私、大丈夫だった?よね?
「よく頑張ったね。」
琴美さんのその言葉が胸にしみる。
「本当にありがとうございました。」
「それは大丈夫だよー。そんなに気にしないで。それより、真面目な話をするとやっぱり音悪いね。発作が出たあとで、なんの治療もしてなくて、これほうっておいたらあぶない。またいつ発作が起こるかわからないような状況。」
「そう、ですよね…。わかってはいました。」
「それから、熱あるね。かなり熱いよ。うち体温計ないから正しい数値はわからないけど。」
そう言いながら額に手を当てられた。
「発作が出たあとは結構熱が出ることが多いんですよ。」
「そっか。冗談抜きで明日病院行こ?私も明日はフリーだし、ついててあげられる。むしろついていかないと気になってしょうがないかも。」
あれだ、この人は相当にお節介焼きだ。
「あー、今失礼なこと思ったでしょ!」
「え、いや、おもってません!」
「本当に?」
「はい!」
「ならよろしい!」
さっきも思ったけどこの人、半端ない観察眼を持っていらっしゃる…。
「さて、遅くなっちゃったし、送ってくよ。この前車買ったんだよねー、中古だけど。あれはいい買い物した!」
なんだかすごく満足げ。
ここまでお世話になっちゃったし、申し訳ないけどけっきょくこの人に断っても勝てないことがわかったから諦めてお願いする。
「わざわざありがとうございます。」
「いいよー、道案内してね!」
「ここから近いです、すぐそこの住宅街なので。」
「あら、それは近い。まあ早く帰って早く寝よう、明日も朝一で病院に行こう!」
「え、はい…。」
「大丈夫、私むかえにきてあげる!なんか楓ちゃん見てると妹が出来たみたいで世話焼きたくなっちゃうんだよねー。なんでだろ?」
やっぱり病院送りは決定事項らしい、とほほ…。
そんな話をしているとすぐうちには着くわけで。
「はあ…。」
「ご両親にしっかりお話しなきゃいけないよ?」
「はい、わかってます…。」
「私からも話そうか?」
「いえそんな、悪いですよ…。」
「いや、ここまで来たし。それにご両親だって見知らぬ人に可愛い娘を預けられないと思うし。」
もう断るのも面倒になってきた。甘えちゃいけないのもわかってるけど、気持ち的にも体的にも疲れてる。
「お願いします…。」
「素直に言えてよろしい!」
何故か琴美さんは嬉しそうに笑った。