Hey girls!調子はいかが?

「あの…。」

「あ、ごめんなさい、私ったら。お客さんの前なのに。」

「いや、それはあの、全然気にしていないのでいいんですが。伝えるタイミングを失っていたんですけど、楓ちゃん、熱があるんです。」

「そういえば発作が出ると熱も一緒に出ることが多かったね。楓、ちょっとはかってごらん。」


そう言ってお母さんは体温計を渡してきた。


「よかった、私のうちにはなかったので。楓ちゃん、はかりおわったら体温見せて。」

「ええ…。」

「こら楓!遠藤さんの言う通りにしなさい!」


いままで一切口を開かなかったお父さんがきつい口調で言った。


「はいぃ!」


思わず勢いよく返事をしてしまった。普段は温厚なお父さんだけど、たまに怒るととてもとても怖い。


そしてタイミングよく体温計がなった。


「はい、見せてー。」


体温計のディスプレイを確認するまでもなく体温計を奪われる。


「おっと、さっきよりもしかして上がってるかも。楓ちゃん、早くご飯食べて早く寝よう。」

「え?」

「お母さん、楓ちゃん9度超えてます。なにか食べられそうなものを軽く用意してあげることって出来ますか?」

「あらま、わかった。急いで準備するね。遠藤さん、よかったら今夜は泊まっていって。」

「いや、それはいくらなんでも申し訳ないです…。」

「いいのいいの!散々楓のことでお世話になってるし、診てもらってわざわざ車で送って貰っちゃって。もうこんな時間だし、いくら車でも女の子が1人で夜外を出歩くのは危険だからねー。遠藤さんのご飯も作っちゃうから待っててね。」

「いや、あの…。」


あれま、我が親ながら凄い。あの琴美さんが反論する隙を与えずにさっさとキッチンにはいっていってしまった。


「遠藤さん、ゆっくりしていってください。気なんて使わなくてもいいから。楓の部屋に布団を準備しよう。」


お父さんが説得している。


「いや、その本当にあの…。」

「何、僕にも思惑はあるからね。ちょっと楓のこと診てやってほしいんだ。夜だし、いつ発作が起こるかわからないし。睡眠時間を削ることになったら申し訳ないんだけどよければ引き受けて欲しい。」


そう言ってお父さんはウインクした。


「そういうことなら遠慮なく滞在させてください。」


きっとお父さんは冗談で言ったんだろうけど、琴美さんは本気の目をしてた…。
私、大丈夫かな?
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