Hey girls!調子はいかが?
ところ変わって今は病院。
朝ごはんを食べて直ぐに着替えさせられ、琴美さんに連れられてここに来た。
有難いんだかそうじゃないんだかよく分からないけど有言実行してくるあたり琴美さんらしい。
一年以上前に小児科の主治医から受け取った紹介状を渡し、受付をして問診票を受け取って、今は琴美さんと待合室の椅子に2人で並んで座っている。
「結構早く出たつもりだったんだけどかなり人いるねえ。」
「そうですね…。」
「緊張してる?」
「…。」
「大丈夫だよ、ついててあげるから。」
「ありがとうございます…。」
「まず問診票書いちゃいなよ。」
「そうですね。」
琴美さんはいろいろ気にして話しかけてくれるけど正直それどころではなくて言葉少なめにしか返事ができない私。
久しぶりすぎて何をどうしたらいいんだか忘れかけているのもあるし、嫌だった感覚が蘇ってくるのもある。
どうしたらいいのか分からない心情の中、なんとか問診票を書き終え、提出し、あとは順番を待つだけとなった。
「結構人いるし、待ち時間長くなってもおかしくないから寝ててもいいんだよ。」
「いや、それは大丈夫です。」
「本当?でも熱あるし、しんどくない?」
「まあ…。でも大丈夫です。」
「そう?ならいいんだけど…。」
琴美さんは気を使ってくれるけど正直私は緊張でそれどころでは無い。こんなに心臓がバクバクしていて寝られる方がすごいと思う。
落ち着けないままずっとそわそわしながら順番を待つ。
琴美さんがずっと気にしてくれているのを感じながらも琴美さんに注意を向ける余裕もなく、心の覚悟も決まらないまま名前が呼ばれた。
「北村さーん。北村楓さん、3番の診察室にお入りください。」
来た。
「行こっか。立てる?」
ひとつ頷いてゆっくり立ち上がる。そのままガクガク震える足を何とか動かして歩きながら、琴美さんに付き添われて、指示された3番の診察室の前に到着した。
ひとつ深呼吸して、勇気を振り絞って診察室の扉を開けた。
「こんにちは。」
「こんにちは、よろしくお願いします…。」
中にいた看護師さんに丸椅子へと誘導されてなんとか椅子に座った。