Hey girls!調子はいかが?
瞳side
楓先生が出ていったあと、私は1人で考え込んでいた。
大泣きして、楓先生になんとなく心を開いて、なんとか1人で楓先生の診察を受けることが出来て。
これだけでもだいぶ進歩したとは思う。だけどやっぱり聴診されるのは怖い。
それから、医者になること。苦しんでいる晴を見て何も出来ないのは嫌だ。だけど私自身が出来ていないことを患者さんにするっていうことが怖い。
頭がごちゃごちゃしていて、自分でも何をしたいのか、何を考えているのか、何を思っているのか、わからなくなってきた。
楓先生も熱上がってるよって言っていたし、寝た方がいいのかもしれない。
なんてことを思いながら暫く眠りにつけずにぼーっとしていると、晴が咳き込む音が聞こえた。
ギョッとして晴のベッドに近寄ると、晴は寝ているけど発作を起こしかけているような気がした。
「晴!晴、大丈夫?」
声をかけてみるけど起きない。今はケホッ、ケホッと軽く咳が出ているだけだけど、危ない気がする。そう思うとそれ以外は何も考えられずにナースコールを押していた。
『どうされましたか?』
看護師さんの声がする。
「あのっ!晴が咳してて、えっと北村先生を、えっと、あの…。」
頭が言葉に追いつかない。
『発作かな?今から北村先生と向かうから、落ち着いて待ってて。』
そう言われ、ナースコールは切られた。とりあえず先生は来てくれるみたい。だけど早く来て!
それに、寝たまま本格的に発作に繋がるとまずい気がする。本能的にそう察知して、晴に声をかけ続けた。
「晴、晴、起きて!ねえ、晴!」
なかなか起きてくれない。どうしよう!
そう思っていると楓先生と看護師さんが来てくれた。
「先生、晴が起きない!」
「起こしててくれたんだ?それで正解だよ、ありがとう。」
「どうしよう。」
「大丈夫、あとは私たちに任せて!瞳ちゃんは休んでて、瞳ちゃんまで発作が出ちゃったら大変でしょ?」
慌ただしく動きながら私に返事をしてくれる楓先生。
「わかった…。」
「大丈夫だから。」
「うん…。」
そういうと楓先生は晴の処置に回った。