Hey girls!調子はいかが?

「よし、そろそろ戻ろうか?」

「うん。」

「熱上がってるし、また夜ご飯ぐらいまでしっかり寝なさい。」

「はーい。」


診察室を出て、病室に戻ってきた。

「瞳ちゃん、まだ寝てるね。」

「うん、置き手紙しまっとく。」

「そうだね。わたしちょっと心配だから見てくるわ。」

「行ってらっしゃい。」


先生は瞳のところに行った。


「ねえ先生。」

「ん、何?」


瞳の体温をはかりながら聞き返してくる琴美先生。


「あのさ、見ててもいい?」

「え?」

「どうやって診察してるのかなーって思って。」

「いつもしてるじゃん。」


ふふっと笑う琴美先生。


「だっていつもは考えないように必死なんだもん。」

「なんだそれ。」


今度は結構盛大に笑っている。


「うーん、瞳ちゃんがいいよって言ったらいいよ。」

「じゃあまた今度だねー。」


しかたない。そりゃあ、瞳だって嫌だろう。親しき仲にも礼儀あり、さすがにそこはわきまえてるとは思っている。


「はい、じゃあ私は瞳ちゃんの診察するから晴ちゃんは寝てなさい。また後で行くから。」

「わかったー。」


それから琴美先生は無言になった。
時折衣擦れの音は聞こえるけど、それだけ。

することも無いし、先生が戻ってくるまでぼーっとしていた。


「お待たせ、晴ちゃん。」


気づいたら琴美先生がベッドの横に立っていた。


「どうだった?」


体を起こしながら聞く。


「寝てていいのに。」


窘められたけど。


「うーん、そうね。瞳ちゃんが起きたらナースコールしてくれる?ちょっと早いかもしれないけど夜の吸入、済ませちゃおっか。」

「え?」

「晴ちゃんも熱上がってるし。」

「瞳、悪くなってる?」

「他の患者さんのことはあんまり言えないんだけどね。まあよくはなってないかな。」

「そっか…。」

「そんなに晴ちゃんが気にすることじゃないよー。2人とも同じぐらいだから。」

「そうなの?」

「うん。まあ、それはおいといて。君も一眠りしようよ。」

「えー。」

「熱上がってるし、体力消耗してるから夜またカーンと熱上がっちゃうかもよ?」

「それはやだ…。」

「でしょ?だから、しっかり休んで。」

「はい…。ねぇ先生、私が寝るまでいてくれる?」

「うん、いるよ。おやすみ。」

「おやすみ。」


そう言って琴美先生は私のお腹の当たりをトントンしてくれた。

すぐに眠ってしまった。
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