【続】0.0000034%の奇跡
トントン拍子で進んだ話は、まず依頼してくれた女子高生に番組関係者がアポを取り接触する。
依頼が当選した事を告げた直後に私が現れるというベタなドッキリ展開を繰り広げ、その後直接、依頼した経緯を聞いてその日は終了。
後は結婚式本番当日にサプライズ出演という流れになっている。
披露宴にてまずはビデオレターでもサプライズ出演する為に前撮りも行う。
何とか智くんともスケジュール調整して全てのヘアメイクをお願い出来た。
「すっごいドキドキするね?その依頼」
お風呂あがり、私の濡れた髪を乾かしながら智くんは言う。
見上げるとニッコリ笑顔に癒やされる。
「ママどうしたの?何がドキドキなの?」と瑚子も近付いてきて不思議そうに言う。
「瑚子、ママね、今度凄く格好いいお仕事するんだよ、皆の前でお歌を唄うんだって」
智くんの言葉に「ママかっこいい〜」と瑚子も嬉しそう。
上手くいくかはわからないけど、サプライズって聞くだけでワクワクするよね。
初めての経験だから勿論不安もあるけどやってみたい。
「スタイリングはバッチリ任せて」と智くんも張り切ってくれている有り難さ。
私は私に出来ることを100%やりきろう。
求めてくれるなら最上級で応えよう。
そこに私の存在意義があるのなら私自身も見てみたい。