【続】0.0000034%の奇跡
スタッフさんがすかさず彼女に向かって「改めて確認します、あなたの願いは何ですか?」と問いかけた。
その一言で察した彼女は大粒の涙を流し言葉に詰まる。
あぁ、泣かないで……頑張れ…!
「お姉ちゃんの結婚式で…憧れの槙田…芹さんに…歌ってほしい…です」
涙を堪えながら言う姿に胸が熱くなる。
更に続けて「お姉ちゃん、昨日も槙田芹さんの歌を聴いて泣いてました」と言ってくれて危うくまた泣きそうになった。
別室で見ている私は「出演のお話頂いた時もそうだったんですけど、こういう話聞くとダメですね…すぐ涙出そうになってヤバイんですよ…あ〜ダメだ、今は泣くところじゃない」と近くに居たスタッフさんに言いながらずっとモニターにロックオンしてる。
こういう声を聞くと、自分のした事が何かしら伝わって意味のあるものになってるんだなぁ。
恥ずかしくて、人前で歌うなんて私なんかがする事じゃないって思ってたけど……少しだけ違ったのかな?
原曲に感謝して敬意を払い、心を込めて歌うことで誰かの心に響く。
想像も出来なかった世界が待っていた。
少々開き直ってでも動画をアップして良かったかな。