【続】0.0000034%の奇跡



「あの…槙田芹さんですよね?握手してください」



若い女子達に声をかけられる。
立ち上がって握手したらすごく喜んでくれました。
一回りくらい違うんじゃないかな?って子達から「可愛い」なんて言われたら消えちゃいたいくらい恥ずかし過ぎる。



他の人達に迷惑にならないよう端っこで写真撮影に応じました。
すごく遠慮がちだったから声かける時勇気いっただろうなとか考えると有り難い事なのです。



サイン…はごめんなさい。
私、一般人なので。
握手と写真撮影以外は応じられません。
今でもたまに言われるんだけどね。
書くとしたらただの達筆な「槙田芹」です、本当すみません。



「美味しかった〜食べ過ぎた」



帰ってきた智くんの膝枕でゴロニャン。
薬指に光る指輪を見てまだニヤけてる。



「ねぇ、いつの間に買ったの?」



「ん?今日届いたの」



えっ!?と体を起こして見つめ合う。
届いたって……?
首を傾げる私に「芹が撮影してる間コッソリ抜けて取りに行ったんだ」って事は取り寄せてくれたって事?
予約待ちの人気商品で半ば諦めてた指輪……





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