【続】0.0000034%の奇跡
【さいてほほえむはな……】




「この撮影の後、来月号の表紙撮影なんですけどヘアメイク中にインタビュー入りますね」



ギリギリの時間内の中、せかせかと働く月島ユイちゃん。
専属契約した雑誌の担当者さんです。
過密スケジュールを完璧に管理してくれていて本当に助かってます。



本業終わってからになるので撮影は夜が多い。
スタッフさん達も時間が限られているからてんてこ舞いだ。



そして、ヘアメイク担当は勿論。
「15分で終わらせます」とコテ巻きの手際が良い智くんです。



器用にシャドウ、チーク、グロスと変えていく。
インタビューを受けながら最後に鏡を見たらガラッと印象が変わっていて我ながらビックリ。
ここはさすがと言うべきか、恐るべし智くん。



毎回お直し後はスタッフさん達の「おぉ…」と声が聞こえてくる。
最初は意味がわからなく変なのかな?と固まってしまったけど、智くんの魔法のおかげなんだと理解した。



笑ったりクールに決めたり、いつの間にか恥じらいや緊張もなくなってきている。
慣れたと言うより、そこに生まれたスタッフさん達との信頼関係だったりユイちゃんの優しさ気配り、智くんの温かい存在なんだと思う。



撮り終わったフォトを確認したらやたらアップが多い気がした。
撮影用で着たこのドレスワンピ可愛くて気に入ってるのにな。
全身アップばかりチェックしていたら「表紙どれにします?」とユイちゃんが普通に聞いてきた。






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