【続】0.0000034%の奇跡



「いいじゃん、周りに何言われようと芹は芹らしく居たら」



「だよね……」



私何気にしてるんだろ。
疲れてるのかな。
少し俯いていたらしゃがんで智くんは手を握ってきた。



「僕は今のままがいいな」



「え?」



「仕事中の芹には眼力ギンギンで男勝りであってほしいって事」



「ちょっと…!気にしてるのに」



智くんにまで言われるなら明日から意地でも直して……ってどうやって直す!?癖でも何でもないのに。



「僕にとってはどの芹も襲いたくなっちゃうほどキレイだけどね」



一切笑いもなく真顔で言うからプッと吹き出した。
こんなこっ恥ずかしいセリフも言ってのけちゃう智くん。



「他の男がそうならないようにずっと男勝りで居てください」



まるで子犬のような眼差し。



「ってオイ、気をつけなくても男勝りだよ!」とほっぺをつねる。
「イテテ」って可愛いヤツめ。
また無意識に癒やされてる。







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