【続】0.0000034%の奇跡
思わず凝視した私に悪びれもなく「あれ?言いましたよね?」って可愛く首を傾げてる。
ついさっきチラッと聞いたような…聞き間違いじゃなかったのね。
いつもの如く突拍子もないユイちゃんの一言で偏頭痛に襲われるので「そちらでお任せします」と伝えると二つ返事で目を輝かせてる。
スタッフさん達にお礼を言って車に乗り込む。
「選ばなくて良かったの?表紙なんでしょ?」
運転しながら智くんが聞いてきた。
「え、だって自分に興味ないんだもん。全部キレイに撮ってくれてるからお任せした方がいいのかなって、そうした方が早く帰れるし〜ってのが本音なんだけどね」
「じゃあ出来上がって発売されるまでのお楽しみって感じだね」
「いや……私的には全然お楽しみ感はない、かな」
「え〜せっかく頑張ってヘアメイクしたのに〜?僕の努力は報われないのね…」
「あ、ちがっ…!そうじゃなくて…智くんにはいつも感謝してるよ〜ただ恥ずかしいんだよ、自分で自分のベストショット探すの」
少し拗ねた顔がクシャッと笑って「わかってるよ、そういうとこ芹らしい」ってからかってくる。
本当にそう思ってるの?
何か怪しい。