【続】0.0000034%の奇跡
ちょっと落ちたりするとすぐ元気にしてくれる。
たった一言や仕草で自然と笑えてるの。
凄く支えられてるんだな、私。
つねる手に手が重なる。
子犬だった目が時間を止めて……
「ほら、そんな顔するから襲いたくなる」
智くんの前だけだもん……
「マスク外したら絶対気をつけて、そんな顔誰にも見せないで」
返事する間もなく重なる唇。
智くんの前じゃないとそんな顔出来ないんだけどな。
「芹……可愛すぎ」
すっかり立ち直った私は智くんに抱きついてスリスリ。
見つめ合う二人はどちらからともなく優しく笑った。