【続】0.0000034%の奇跡
「本当キレイよね〜改めて思う」
有難いお言葉ですが居心地悪い………
痛いほど視線を感じる。
恐る恐る皆の方を見ると、雑誌の私と見比べてガン見されてて。
どうリアクションすればいいのか分からず。
すると受付のカナちゃんがやって来て「槙田先生、お客様ですよ」と言ってきた。
助け舟を出してくれたんだとホッとしていたら本当に来てたみたいで待合室を指差され行ってみる。
ソファーにドカッと座り足を組んでいる人物。
黒のキャップ帽にサングラス。
私を見るなり「よう」って友達か?
久しぶりに見る彼は相変わらず自己中で大きな態度。
サングラスを取って当たり前のようにハグしてくる。
一瞬気を抜いてしまったけど「セリ〜会いたかったよ〜」と顔が近付いてきたので必死に阻止した。
「黒川……暖っ!」
「アハ、本名で呼んでくれるのセリだけだよ」
何とかすり抜け距離を保つ。
すっかり忘れてたけど、こうして自由気ままに突然来ては私を困らせる人だった。
今じゃカメレオン俳優と呼ばれる黒川春樹、改め黒川暖。
「あの、時間外なんですけど?」
「だから来たんじゃん、俺芸能人だよ?」
でた……この面倒くさいくだり。