【続】0.0000034%の奇跡
「智くんってさ…よく焦らすよね?でも私はちゃんと欲しい」
グッと引き寄せたら、さっきより強引にキスしてみた。
こんなリクエスト…私だってスイッチ入らないわけない。
智くんの両頬に手を添えて何度も…何度も…角度を変えて……
「ちゃんと…ここにして欲しいの」
これってワガママじゃないでしょ?
焦らされるの、好きじゃないの。
完全にスイッチの入った智くんに抱きかかえられてベッドルームへ。
優しく脱がされて求め合う2つの影。
スイッチ押しちゃうの早かったかな…?なんて反省しつつ、こんな記念日もアリだなって笑い合った。
ソファーに座って2人でDVDをいくつか観る。
同じタイミングで爆笑したり、泣いたりして楽しい時間を共に過ごした。
母から送られてきたスヤスヤ眠る瑚子の写真を見ながら微笑み合う。
「明日迎えに行くからね」って。
当たり前にある幸せが愛しくて…尊く感じて…その手を握った。
私たちの軌跡はまだこれからも続いていく。
共に紡いでいく奇跡が繋がって、育っていくんだよね。
智くんと瑚子の3人なら無敵な気がする。
「ねぇ、智くん」
「ん?」
「襲っていい?」
「えっ!?」
驚いた顔が可笑しくて笑いが止まらなかった。
真に受けてる感じがたまらなくてお腹を抱えて笑う。
「冗談だよ」って言ったら残念がってて可愛い。
いつまで経っても私の周りでジタバタしてくれる智くんは、いつまで経っても私の心を掴んで離さない。