【続】0.0000034%の奇跡



受験生なんで明るい応援ソング作ってください等、具体的なリクエストが増えていく。
コードアップを望む声もたくさん届いた。
すでに私をカバーしてくれてる人たちもチラホラ居てびっくり。



そして何より驚くべきことはいくつかのレコード会社からのアプローチが有り難いことに続いていた。
お断りしても何事もなかったかのように後日同じ内容を聞かされて、中には毎回違う人が直接交渉しに来られる事務所も。



こうなればどちらが先に折れるか、根気比べみたいな状況に陥っている気がする。



私からすれば、こんな夢みたいなことはないし正直嬉しい。
でも、歌手という選択肢は今まで本当になかったし、今回もたまたま曲を作れただけで続くとは限らない。
え?なに?歯科医が作ったの?へぇ〜ってな感じで珍しく受け取られてるだけだと思う。



そんな自分に酔っちゃいけないと思うし、あくまで私は歯科医師であり天職だと思ってる。
好きな職に就きながら趣味でギターを弾くのだ。
そのスタンスはこれからも変わらない。



そう何度説明しても根気良くアプローチは続くのであった。
歯科医師でありながら世に歌を出すってどういうこと?
あまりにも不器用で少々石橋を叩きすぎる私には勿体無い話で身の丈に合わない夢のまた夢だと思っていた。





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