【続】0.0000034%の奇跡
「えっと…痛いです」
「あ、すみません!失礼しました」
「本気で好きなんですね、ライターの仕事」って逆に笑ってあげた。
恥ずかしそうに下を向く。
さっきの私も彼女のように熱く語ってたんだよね。
私達、似た者同士なのかもと思ったらまた笑けてきた。
「どうしてそこまで私に?」
彼女の取材は今回で3度目。
時間にしたって1回につき2時間程度。
最初から私は歯科医学以外の事はあまり話さなかった。
そんな中で興味の引く話なんてなかったと思うんだけどな。
「私自身も先生に憧れてるからです。先生というか、槙田芹という人間に…ですかね」
まさかの答えにギョッとした。
すかさず「ありがとうございます」と頭を下げる。
ちょっと何?この展開。
どうしたらいいの?
「先生の魅力、私なりにもっと引っ張り出したいです」とか言ってて鼻息が荒い。
ほら、周りのお客さんもクスクス笑ってる。
うーん…と少し考えてひとつ条件を出した。