【続】0.0000034%の奇跡



ひょいと簡単に取り上げられて取り返そうとしたらそのまま智くんを押し倒してしまった。
ドサッと乗りかかった体を強く抱き寄せられ耳元でこう言うの。




「早くこうしたいの、わかってよ」




かかる息が熱い……
ゆっくり顔を上げたら、あの目が待っていて……



「どの顔が良かったって?」



「えっと……」



たっぷり挑発的な顔に触れて……
耳に触れて……額を寄せた……



「この顔が好き……本物が、一番好きです…」



もう唇がくっつきそう……
なのに焦らされてる……
今日はまた、イジワル智くんだ……



だから自分からキスをする……
徐々に深くなりながらおねだりするの……
服の中に手が入ってきたらそれが合図……



「まだ焦らしたいけどもう限界」



そう言って私を強く求めてくれる。
全てを捧げてもいいと思える人。
私だけの智也。



「好きよ、智也…っ」



抱かれながらそう呼ぶと更に強く私を求めて智くんの顔が歪む。
それが好きでたまらない。
もっと愛したくなるし、壊してほしくなる。



抱かれている時だけ「智也」と呼ぶ私に毎回ドキドキするんだって。
たまには違った私も良いでしょ?
なんてね。
自然と呼びたくなっちゃうの、ただひとつになりたくて……






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