【続】0.0000034%の奇跡
頷きながら聴くユイちゃんはもうすでに泣いている。
きっと思い入れが深い曲なんだろう。
リクエストにはちゃんと応えたいというのが私のモットー。
これでも結構幅広く聴いたりしてるんだよ。
久しぶりに歌ってみると良い曲。
「泣きすぎでしょ」
「ちょっと、本当に先生、リリースしません?その声ヤバイですよ」
「しません」
「鳥肌ハンパないんですって」
「ありがとう」
生歌聴けて良かった〜なんて言ってくれて嬉しいけど、自分じゃよく分からなくてリアクションに困る。
ましてや智くん以外の人前で歌うって凄く緊張しちゃうので。
「あの、もしかしたら娘さんが撮ったショットを採用させていただくかも知れません」
「え?あ、そうなの?」
「はい、凄く良い笑顔いただきましたので」
どれどれ?と確認したショットは上手く緑をバックに瑚子にむけてクシャッと笑顔になった瞬間の一枚。
連写していて何枚かブレていたけど奇跡的にピントが合った一枚だった。
ていうか、私的には凄く恥ずかしい。
めちゃくちゃ素じゃん。
「使用させていただく写真はこちらで選ばさせていただきますね?出来上がりをお楽しみに」
「はい、全てお任せします」