Sweet break Ⅲ
紗季は、持っていたジョッキを一気に飲み干すと、近くの店員にもう一杯生ビールを注文してから、何故かグッと身を寄せて来ると、今度は小声で意味ありげな笑みを浮かべて聞いてくる。
『…で、どうなのよ?』
紗季の中性的な瞳でジッと見られて、思わずドキッとする。
『どう…って?』
『とぼけないでよ、もう一か月以上経つんだから、うちらの知らない関君見てるんでしょ?二人きりの時、あの冷めたクール男はどんなデレを見せるのよ?ん?』
興味深々の紗季ににじり寄られ、返答出来ずに困惑する。
そもそも、今日紗季を呼んだのは、他でもない”その件”について、相談したかったのだから。
『紗季』
私は意を決し姿勢を正し、隣に座る紗季に向き直ると、できるだけ真剣な顔で話し出す。
『相談があるの…笑わないで、真面目に聞いて』
私は、キョトンとする紗季に、ここまでの経緯を丁寧に話して聞かせ、自分の過去の恋愛歴と、今週末初めてデートらしいデートをすることまで、すべてをさらけ出した。