彼女が死んだ物語

「子供の身にもなれって感じ!」



「それはそうかもね」



ナミは私の話に相槌を打つだけ、自分の事などは一切言わない。




「家出とか、してみたいなーなんて」



「それはやめておいたほうが良いと思うよ」



沈黙。



「ナミは、いつまでもそこに居てくれるよね」



当たり前と、言って欲しかった。


いつまでも一緒だよって。



「当たり前じゃん! ずっと話聞くよ」



大好きなナミ、話を聞いてくれるナミ。

学校で、家で、どんなに嫌な事があっても、ナミがいるから


私はやっていけていたの。



「ナミ、たまにはグチとか言ってもいいよ。私が聞くから」



それから……




記憶がない。
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