彼女が死んだ物語


「お願いだから……ねえ……」



母は私の頭を抱きしめた。








ナミ、ねえ、ナミ。


知らぬが仏ってことわざあるじゃない。


私は、ナミの事、信じていたほうが、よかったんじゃないかと思うの。


でも、それは“おかしい”んだって。


普通じゃないんだって。



だから、ナミとは、さよなら。


本当は、さよならなんかしたくないけど、仕方ないから。



ねえ、ナミ。



だいすきよ。



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