彼女が死んだ物語

夢を見た。


ナミが出てくる夢。




「ナミ?」



ずっとうつむいているナミ。


そしてかすかに頬を伝う涙。




「もう、会えなくなるね」



「仕方ないよ。ダメみたいだから」



ナミは首を振る。



「いつまでも、友達だよ」



手を差し伸べてきたナミ。


私はその手を握り締めた。



その手は、温かかった。




これが、最後なのだと、悟った。
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