天罰
「実は今京都に住んでいるんです」
「え!?京都」

彼が言うには両親が離婚して母親と二人で京都に住んでいるということだった。

今もあの時と同じ家に住んでいると思ったからショックが大きかった。
「気軽に会えると思ったのに・・・」
気づいたら私はそうつぶやいていた。

彼とのメッセージ画面をぼんやり眺めながら
無意識に「悟くんに会いたい」と打っていた。

「あ、まずい。消そう!」そう思って急いでデリートを押そうとしたら
間違えて送信を押してしまい思わず「あっ」と声を漏らした。

そんな簡単に会える訳がない。すぐに既読がついて彼もきっと困惑している思った。
けどすぐに「俺も桃さんに会いたいです」と彼から返事が返ってきた。

すごく嬉しくて思わず飛び上がりそうになったけど
冷静さを取り戻すとすぐに「どうやって?」と打ち返した。

すぐに「俺が桃さんに会いに行きます^^」と返事が来て
私は携帯を胸に抱え目をつぶると涙が出そうになるほど嬉しくなった。

「悟くん・・・」

この時は舞い上がるあまり深く考えていなかった。
これは久々の友達に会える喜びなのか、それとも・・・。

私には旦那がいる。いつも忙しくて家に帰らない日も多々あるけど
二人でいるときは疲労や苦労を見せずいつも優しく私も気遣ってくれる。
本当に本当に尊敬できる人。

私は旦那を愛している。だから悟くんとは古い友人として
また会えるのを嬉しいと思うようにした。



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