天罰
「いえいえ!井沢さんこそすごく可愛くて癒されます!」

そう言うと頬を赤らめ「そんなことないですよー」と言って
照れながら否定をしたその仕草も可愛くて
きっとモテるんだなぁと思った。

すると遅れて大野くんが登場してきた。
「大野ーお前何遅刻してるんだよー」と同僚の人にいじられると
「悪い!電車が遅延して」と答えたので「真面目か!」とつっこまれていた。
相変わらず面白くて場の盛り上げも天下一品だった。

「水城さん久しぶりです。元気ですか?」
彼は生を注文すると私の向かいに座った。
「はい、元気だよ。大野くんはどう?」
「もちろん元気っすよ!」
「こいつ水城さんに会えたから更に喜んじゃって・・・」
「うるせーよ」

すると私の隣にいた井沢さんが「水城さん結婚されてるんですよね?」と
突然聞いてきたので場の空気が一瞬にして静まり返った。

「え?あ、はい。そうです」
「お医者さんと結婚したんですよね?すごいです!どうやって知り合ったんですか?」
「え?」
「私、彼氏いないんで是非知りたいです!!」
「おいおい、井沢ちゃんが医者と知り合っても結婚出来ないって」
「でもー出会いすらないんですよー。合コン行ってもダメ、お見合いパーティーも相席屋もダメ。
もうどうしたら良いでしょう」
「俺とかどう?」
「嫌です。ねね、どうやって知り合ったんですか?」
すごく真剣な眼差しの井沢さんを見て本気なんだなぁと思った。

「いや、彼とはたまたま出会ったというか・・」
「もしかして運命的な出会いですか?」
「ええ、まぁ・・」

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