天罰
その日の夜、私はデートの計画を悟くんに伝えたかったため
1週間ぶりに彼に電話をかけた。

「行きたいところ決まりました?」
「実はレインボーブリッジ見たいから海浜公園を散歩して
あ、観覧車にも乗りたいのと大江戸温泉にも行きたい」
「おっ、良いっすね!是非行きましょう」

「夜はどうしよう・・・」
「え?」
「ううん、ごめん。なんでもないの。」
「夕飯一緒に食べます?」
「そうだね!そうしよう!」
でもその後はどうしよう。考えている間、少し沈黙が続いた。
すると悟くんが思いがけない一言を発した。

「最近ずっと桃さんのことを考えてるんです」
「・・・・え?」
「あれ以来、ずっと桃さんのこと考えてて・・・」
あれ以来・・・。あ・・・言わなきゃ・・・。
「悟くん、あれは・・・」
「俺も桃さんとキスしたいです」
「え!?」

今一瞬何を言われたのか分からなくて
すぐに言葉が出なかった。
頭の中で整理がつかなかった私は
「でも悟くんには他に好きな人がいるって・・・」と彼に聞いた。
「好きな人って桃さんのことです!あの時はそう言えませんでした。
桃さんには旦那さんがいるし。けどあの日、桃さんから俺とならキスしたいって言われて・・・
俺も本当のこと打ち明けようって思ったんです」

「悟くん・・・」
< 31 / 65 >

この作品をシェア

pagetop