天罰
悟くんとのデート当日になった。

山手線に乗り新橋で降りて
ゆりかもめに乗り換える時も
焦燥感やドキドキ感、不安感が絶えず
私の心臓の中でグルグル回っているように感じた。

期待と不安。
彼がどのような大人へと成長してるのかを私は知らない。
電車がお台場に近づくにつれ、もし彼が来なかったらどうしようとか
実はすごく不細工になってたらどうしようとか
嫌な気持ちが頭を過った。

それと同時に格好よくなってるかもしれないとか
彼とこのまま本当に一夜を過ごしてしまうのかもしれない
とも思った。

あの日、二人が両想いだって気づいた日に
私はお台場駅の近くのホテルを予約した。
けど、本当にそこに二人で泊まるのかは
今日の私の気持ち次第で決めようと思った。

まだ会ったことがないのに
絶対行くだなんて決心はしてない。
例えキャンセル料が掛かったとしても
愛する人を裏切らずに済むと思うと
その代償は安い方だと考えた。
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