天罰
すると突然悟くんは私の隣に移動し座り始めた。

私はびっくりして彼の方を見ると
悟くんは優しい眼差しで私を見つめ
「手、繋いでも良いですか？」と聞いてきた。

「あ、いや、その・・・」

すると悟くんは彼の右手で私の左手を握り始めた。
私はその光景を見てまた体温が上昇し顔が一気に赤くなった。

彼は私の左手を弄ぶように握ると「桃さんの手、小さくて可愛い・・・」
と甘く低い声で彼は呟いた。
それだけで私はどうにかなりそうでずっと俯いたままだった。

すると今度は悟くんは私の左耳に口を近づけると「桃さん目を閉じてください・・・」と
言ってきた。

「え？」

私は聞き返し彼を見上げると
彼はいたずらっ子のような顔をして
「昔桃さんが俺にこう言ったのを覚えてます？」と
聞いてきた。

「俺はあの時、桃さんにそう聞かれ嫌だと言って断った。あの頃の俺はまだ幼くて
恋とかも知らなかったから桃さんに何をされるのか分からなくて怖かった。」

私が黙って彼を見ていると彼は再び「桃さん目を瞑ってください」と言った。

あの時と同じように今度は逆の立場で
「嫌だよ・・・。目を瞑ったら何をするの？」と私は聞き返した。
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表紙・目次

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