天罰
一旦唇を離しお互い見つめ合うと悟くんはまた私の唇を覆い
喰むようにキスを繰り返した。

これだけで私は十分だった。
顔が熱くなり鼓動が高鳴り、
自分の身体が自分のものじゃないくらい体が硬直した。
彼の激しいキスを全身で受け止めた。
これ以上何もいらなかった。
これ以上、彼を知ってしまったら本当にどうにかなりそうだった。

キスが終わると息が荒くなり
全身で呼吸した。

その姿を見た悟くんが私を優しく抱擁すると
「桃さん、可愛いです」と呟いた。

ドキッとして身体が震えた。
いけないことなのにあってはならないことなのに
私の心が身体が彼をもっと求めてる気がして
それを必死で抑えるように私は自分の荒くなった呼吸を整えた。

「桃さん、大好きです・・・」

彼の一言に私の心臓が一瞬飛び跳ねた。
彼の本心が嬉しくて切なくて
どうすることもできなくて

「私も悟くんのことが・・・好き・・・」と

躊躇いがちに答えた。
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