天罰
優しいところが好き。純粋で真面目なとこ。
一途なとこ、彼の全てが好きなんだ。

彼の横顔を見つめていたら急に悟くんがこっちを向いてきたので
思わず目を逸らした。

「なんですか?」

「え?」

「俺のこと見てましたよね?」

「見てないって・・・」

「えー嘘つかないでくださいよ!」

そう言って彼が座り直し、さらに二人の距離が縮まったので
私は更に緊張し「元カノさんのこと思ってたの!」と
藪から棒に訳のわからないことを言ってごまかした。

「え?」

私は彼を一瞥してすぐ下を向くと
「元カノさんとこういうとこ来たことあるの?」と聞いた。

すると少し間があってから「実は桃さんに謝りたいことがあります」と
質問とはかけ離れた答えが返って来た。

私は驚き彼の方を見上げると悟くんは申し訳なさそうに
「実は彼女がいたって、あれ嘘です」と答えた。

「え?」
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