天罰

10

行為が終わった後、ぐったりして私は仰向けの状態で
ベッドから起き上がれなかった。

悟くんが水を勢いよく飲み干す姿が視界に入った。

私の息はまだ弾んだままで心臓の音も
ドクドクと鼓動し続けていた。

「桃さん・・・」

彼がベッドに戻ってくると私の上から覆い被さるように
抱き締めてきた。

彼は子犬のような純粋さと恋しさで
私に甘えてきた。

だけど私は疲労のためか彼の気持ちに答えることが出来ず
「悟くん重い」と言うと彼を軽く突き放した。

彼がびっくりした顔で私を見てきたので私は
「ごめん。疲れちゃって。眠いの・・・寝かせて?」と言うと
彼は少し寂しそうな顔をしながら「桃さん・・・」と言ってきた。

「ごめん」
私はそう言うと彼に背を向けるように
横向きになり目を閉じた。

とうとう彼に抱かれてしまった。
後悔はないけど罪を犯した犯罪者になった気分だった。

悟くんのことが好きでした行為なのに
罪悪感を私の心が受け入れられなくて
何だか分からない一筋の涙が私の頬を伝った。

そして静まり返ったこの部屋で暫くして私は眠りへとついた。
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