天罰
「また会おうね」

そう言うと彼はびっくりした表情で私を見た。

「今度は私が京都に行くよ。悟くんに会いにいく」

「え!?本当ですか!?」

彼のびっくりした表情が段々と嬉しそうな表情に変化していった。

「本当はもうこれで会えないのかと思って・・・。
そう思ったら最後くらいは笑顔で締めようって思って・・・」

「何よ、最後って・・・」

「だって桃さんは人妻じゃないですか!」

「あ・・・」

「本当はもう会えなくなるのは嫌だと思ったんですけど
俺の我が儘で桃さんを困らせたくないし・・・。
だから桃さんと一回デート出来ただけでも幸せだったんだって
自分に言い聞かせてました。
本当はめちゃくちゃ寂しいですけど」

彼が自分の気持ちを吐露してくれたことに嬉しくなった。

私は彼を見上げると彼を元気づけるように
自分に言い聞かせるように「また会えるから!終わらせないから!
だから寂しくないよ。ね?」と彼に言った。

彼はその言葉を聞いて笑顔になると
「はい!また会いましょう!」と子供のような元気な声で答えた。

「じゃぁ、また!」そう言って私達はその場を後にした。
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