天罰
食事を終え、しばらくビルの中でウインドーショッピングを楽しんだ後、
朝帰りで疲れていたこともあり私は早めに優子ちゃんとは別れ、
すぐまた家に戻った。

家に着いた頃にはもう蒼太さんは出てしまっていた。

私はそのまま洗面所に向かうと手洗いをし、
クレンジングをするため鏡の裏にある棚から
クレンジングオイルを取り出した。

「あっ!」

オイルを顔に塗っている最中に嫌なものが目に飛び込んできた。

「え!? こんなところに白髪。嘘でしょー」
私は白髪を一本見つけるとショックで泣きそうになった。
良く見ると笑うたび目尻にシワも出るようになった。
下腹部にも肉がつきやすくなり、これが30代かと嫌でも感じるようになった。

「はぁ・・・」
重いため息をついた。

ふと悟くんのことを思い出すと
「私のこと好きとか言ってくれるけど
こんなこと知られたら引かれるよね・・・」と自嘲気味に呟いた。

「もっと努力しなきゃ」

私はクレンジングを済ませると自分の部屋に入った。
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