いつもありがとう。
1章「貴方に出会う前のお話」
「ちょ、待ってってば!!」
 
「えー。だって来夢遅いし」

 私は男女混合のグループでいつも行動してる。
もちろん人並みに恋もしてる。
 だから…
それなりに幸せな小学校生活を送っているほうだ…と思う。

 
 私は思ってもいなかった。
あんな日がやってくるとは…。


 「卒業おめでとう。」

 この日も当たり前のようにいつものメンバーなんだ。
みんなで写真を撮って、誰もが経験するような卒業式。

 みんなが思い思いの時間を過ごす。
最後のこの一日を心から大切に思って。
すぐ横の中学校に進学するのに。
そう思っていた。

 でもこの日がこのメンバーで過ごす最後の時間になったんだ。
それを私は知らなかった。


 「バイバーイ」

 この日が貴方と交わした最後の“会話”だったね。流。
ずっと貴方が好きだったんだ。なのに伝える事が出来なかった。

 「来夢は流に告白せんでよかったん??」
 啓は当たり前のように質問してくる。
彼は帰る方向が一緒でいつも一緒に帰ってた。
恋話に花を咲かせながら。

 「あ、んじゃまた中学で!!」
 啓。貴方はそういったね。
けど、これがまともに会話した最後だった…。

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