いつもありがとう。
「ただいまー」
 私の親は共働きだ。
あいさつをしても返って来るはずがない。

 いつものように放課後を過ごす。
だったはずなのに…

 どうして…どうしてあの時…

 アルバムに手を伸ばしたのだろう。
神様が怒ったのかな。
真実に目を向けない私に。

 1ページ。また1ページ。
ページをめくっていくんだ。
見てしまった。見つけてしまった。
あの頃あのメンバーで笑っている。

 私たちには沢山の思い出があった。
アルバムを見たら気付く事、今考えれば当たり前だったね。

 6年生になって、私達はどんな時も一緒だった。
学校で、遠足で、修学旅行でも。
だから一緒に写ってる写真ばっかだったんだ…。
中でも、流と京はどの班も一緒だったんだ。
私の目からは、涙があふれている。
最後のページだ。

(バサッ
 写真が落ちた…
アルバムとは別。
6年生になって皆で撮った写真。
卒業式の…あのときの写真ももちろんある。
皆がきらきらした笑顔をしている。
今にも笑い声が聞こえてきそうだよ…

 
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