ずっと……
「相変わらず物分り良すぎだ、高橋」
「そう?でもね、一つだけ言わせてくれる?」
「なんだ?」
こうやって会うのは今日で最後。
だから、なおさら言いたい。
あのとき言えなかったこと。
「私...松尾のこと、好きだった。
ううん、今も好き。
あのとき、松尾は黙って姿を消した。
森先生から塾を辞めたって聞いたときは驚いた。
信じられなくてここでずっと待ってた」
「高橋...」
話し出したら止まらない。
だって、やっと会えたんだから。