あの日キミに。今日お前に。
「…切り傷?…あの、今救急車を……」








そう言ってスマホを出した私の手を、血のついた彼の左手が掴んだ。








蒼「…やめろ…、」






「…ッ………そ、う……?」








初めてちゃんと彼の顔を見た瞬間、私はそう呟いた。








蒼「…何で俺の名前……ッ………お前……、」








彼の目が大きく見開かれて、私の手を握る力が強くなった。




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