きみが白を手離すとき。
今だから言う。
正直おっさんじゃんって思った。
まだ初々しい19の彼女と25の男。そして子どもでも大人でもない中途半端な16の俺。
普通に、気にくわなかった。
25のおっさんが十代に手出してんじゃねーよって。そんなガキっぽい理屈で、けっこう露骨に睨んでいたと思う。
でもうちの両親に挨拶してる姿を見て『あ、』って思った。
男のスーツ姿が様になってたとか、低姿勢で誠実だったとか、そんなんじゃない。
男の隣で座る彼女が、とても幸せそうだったから。
その顔を見て、大事にされてんだなとか、本気なんだなとか、色々伝わってきて、俺はまたガキっぽくコンビニに行くふりをして家を出た。
それから、二年。
彼女は明日、その男と結婚する。