春風
うん。気のせいではなかった。

「どうしよう…」
私、夏目悠莉。
今日から新しい学校に通う高校2年生。

教室へ入ったのはいいけど、
既にできてる複数のグループ。
転校してきたばかりで当たり前かもしれない。それでもそう呟かずにはいられなかった。

自分から話しかけに行った方が良いのかな。でもなんて言えばいいの??うーん…。
まだ始まったばかりなのに、
もう不安だらけだよ…ねえ遥人…。

そんなことばかり考えてたら、知らない間に教卓には先生が来ていた。50歳くらいの男の先生。少しハゲかかっていると思ったことは秘密にしておこう。
「皆さん、おはようございます。今日から皆さんの担任をする山野です。よろしく。この後始業式だから体育館へ遅れずに行くように。以上。」

それだけ言って出ていった。
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