シェヘラザード、静かにお休み

脱獄の手伝いをした。ばれたなら、一緒に仲良く牢屋行きだ。

いや、今は未来の話はどうでも良い。

「私は今、城が吹っ飛ばされたことに何も異議は感じないわ。オリバーだろうとヘクターだろうと、貧富の差が縮まるのなら上に立つ人間がどんなに不器量でも構わない」

「それは器量が良くても可ということか?」

「そんな話はしてないわ。ルイスはどうなのよ、資源を甘受して貧困で餓死しそうな子供たちの上を土足で歩くような王族が城に戻った所で、国民も革命家たちも良しとしないわ」

「それは話し合ってみないと分からないだろう」

まるで言葉が通じないようだった。

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