シェヘラザード、静かにお休み
見つかったら国民の淘汰されかねない。こんな風潮になってしまって、国民に処刑されるなんてありえないとも言えない。
「というか、私たちがここに来たって向こうに先にばれたらすぐにここを離れちゃうんじゃないかしら?」
「……その前に見つける、と思ってはいたが」
「もしくは顔を変えたり」
ルイスは顔を上げる。リゾットをちまちま食べているシーラはそれには気付かなかった。
「闇医者か」
葡萄酒ひとつ! と近くのテーブルから声があがる。
「それはあるかもしれないわね」
「は? お前が言ったんだろ」
怪訝な顔をするルイスに、シーラは肩を竦めた。