シェヘラザード、静かにお休み

その方向へ走る前、店長の方を見た。

「無銭飲食者です、捕まえてきますね」

そう言い放って、返事も聞かずに行ってしまう。
残された店長は更にぽかんとして、小さく頷くだけだった。

シーラが裏口から出ると、薄暗い路地に面していた。
そして、倒れる二人の男。

勿論、制圧しているのはルイスの方だった。

「構わず行ってください!」

腕を捻られうつ伏せになっている男が、少し離れてこちらを見ている女に叫ぶ。

シーラの方を振り向かなかったが、ルイスはシーラの気配を察知していた。

二人が捕らえたいのは、男の方ではない。

< 201 / 376 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop