シェヘラザード、静かにお休み

生まれが庶民ということもあるのかもしれないが、どこか野生の匂いがした。

それはイーサン自身からするものと似ている。

「あの方はとても好戦的です。帰ってきたらすぐに自分の味方になる富裕層たちを募って、喧嘩でも内戦でも何でも始めるでしょう」

「どちらにしろ、この状況は長くは続かない」

「私が城に行くことで、それが何か変わるんですか?」

アメリアは真っすぐルイスの方を見た。とても力強いまなざしで、ルイスは少しだけ慄いた。

変わってもらわなくては、困る。

シーラが『革命返し』と言ったほどだ。

< 209 / 376 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop